(1)どんな種類があるの?
まずは、数ある広告の種類をまとめてみましょう。以下のようなものが主な広告として、日々数多くの人の目に入っています。
・テレビCM … テレビと一口に言っても、有線放送、衛星放送、通信ネットワークを利用した配信、店頭VTR、アドシネなどさまざまです。
・ラジオCM … もちろん、ラジオにもCMがあります。有線放送、衛星放送、通信ネットワークを利用した配信などです。
・印刷媒体広告 … 新聞や折込チラシ、雑誌広告、交通機関や屋内外での広告、POP、ダイレクトメールなど紙の媒体は特にいろんな種類があります。このほかにも、販売促進女性物と言って、パンフレットやカタログ、ラベル、ステッカーなども印刷媒体としての広告に分類されます。
・通信ネットワーク広告 … 携帯電話やスマートフォン、その他の情報通信機器を利用したホームページやインターネット広告
・その他 … 商品展示会やイベントなどでの販売促進活動や、タレントの所蔵を利用したノベルティなど。これは、たとえば写真入りのプリペイドカードなどのことを言います
ざっと広告の種類を分けただけでも、こんなにあるんです。最近は、紙媒体ももちろんですが、携帯電話やスマートフォンの普及によってインターネット広告も増えてきました。モデルたちが輝く場所は、ショーやステージの上だけじゃない、ということですね。
(2)広告ができるまで
広告はどうやってできあがるのでしょう?実は1つの広告が完成するまでには、たくさんの過程があり、たくさんの人が時間をかけて、やっと世の中に発信されるのです。今までは、1つ1つの広告がどうやってできるかまでは考えたことがないと思いますし、実際にモデルが参加するのは撮影本番のみ、ということも多々あります。でも、自分が関わる仕事になるんですから、その仕事の全体を知っておくのはとても大事なことです。
1つの広告が完成するまで、長いものだとなんと半年近くかかることもあるんですね…。自分が出演する広告1つに、たくさんの人の汗と努力、広告にかける思いがしみこんでいること、しっかりと意識して仕事にのぞみましょう。
(3)ここでモデルが決定!
実際にモデルが関わるのは撮影本番のみ、というお話を先ほどしましたが、撮影を迎える前に大事なことがあります。そう、オーディションです。一般的には広告代理店が決まると、モデルを選ぶ段階に移ります。書類選考から始まり、面接やオーデイションを勝ち抜くことで、晴れてその広告に出られるのです。
(4)絶対に守らなければいけないこと
ここからは実際に広告に出ることが決まった際の注意点を説明します。
①絶対に事務所を通すこと!
遅刻など基本的な連絡事項はもちろんですが、たとえスタッフと仲良くなったとしても 個人的に仕事のやり取りをするのはNGです。事務所を通すことで、自分の仕事がスムーズに進みますし、勝手な行動によって周りに迷惑がかかることもなくなります。
②秘密は守る!
オーディションを含め、撮影現場で知った広告に関わる情報は一切漏らしてはいけません。実際に、世に出る前のCMの内容を漏らしてしまったことで、そのCM自体がボツになった例もあります。その場合、クライアントにとって多額の損失となってしまい、漏らしたモデル本人や事務所が責任を取らなければならなくなってしまいます。特に最近では、SNSやインターネットが普及していることもあり、情報が漏れやすいことが問題になっています。軽はずみな行動で、取り返しのつかない事態になる危険がある仕事だということを、今一度意識しましょう。
③What’s競合?
「競合」という言葉、一度は聞いたことがあると思います。同じ出演者が、同時期に同業他社や類似商品への広告出演を制限するルールのことです。テレビ業界の「裏かぶり」と似たものですね。例えば、ある企業の化粧品のCMに出演した場合、契約期間中は他の化粧品会社の広告に出演することはできません。このルールは「商品競合」と言います。この他にも「企業競合」というさらに厳しいルールもあります。これは、化粧品を製造している全ての企業の広告に出られないというものです。化粧品以外の商品でもNGという場合もあります。逆に、「競合なし」の場合は、こういった制限がなく、他社の類似商品の広告に出演することが可能です。
④どれくらいの期間契約するの?
広告の契約は、1クール、2クール、1年間などの期間が設けられます。1クールは3ヶ月で、競合ありの場合は、この期間中は他社への出演が制限されることになります。
プロのモデルとして活動していれば、自分が広告に出る可能性はもちろんあります。モデルという仕事に大きく関わる広告というものを、この機会に理解しておきましょう。