インタビュー モデル・ポージングスタイリスト 芹沢佳代さん

profile
芹沢 佳代

CMや雑誌、広告やショーなど多方面で活躍中の現役モデル。
モデル事務所・タレント事務所にて、モデルとしての経験を活かした実践的なポージング・ウォーキング指導も行っている。

的確なアドバイスと明るいキャラクターにファンも多い。

モデルは、写真が命!書類選考で選ばれなければ、オーディションへも行けません。
モデルにとって必須のスキル「ポージング」について、現役モデル&ポージングスタイリストとして活躍されている芹沢佳代さんにお話を伺いました。

雑誌や広告等でお仕事をする為には、どんな事を身につけておくと良いですか?

まずは、どんなシチュエーションでどんな役の設定なのか、今求められているポーズと表現は何なのか、頭で理解&イメージしてポージングできるようになると良いですね。

「ポーズ」と一言で言っても、ファッションショーでする決めポーズと、写真でのポーズは異なります。ファッションーでは、バチっと止まってポーズをしますが、写真でのポーズは、流れるような動きでポーズをとり続けていきます。
また、写真でのポーズの方がバリエーションもたくさんありますし、奥が深いです。

「ポージング」とは、体のパーツの動きの組み合わせと表現力が合わさったものだと思っています。
モデルも演じるお仕事。設定や役になりきって動くことが大切です。

表情やポーズのバリエーションを身につけて、色々なシチュエーションに対応できる技術が必要になります。
雑誌や広告のお仕事に限らず、商品をいかにキレイに魅力的に見せられるかも、モデルとして必要な技術ですよ。

撮影前に気をつけている事や(撮られるモデルとして)日頃実践している事はありますか?

撮影前に気をつけている事や(撮られるモデルとして)日頃実践している事はありますか?

撮影前は体のコンディションを整えます。
撮影前日は、ゆっくりお風呂に入ってたくさん睡眠を取って、時間があれば念入りにマッサージやパックをしています。
私は浮腫みやすい体質なので、前日は塩分を控え、水分も取りすぎないように気をつけていますね。

体質や体の悩みは人それぞれ異なりますが、いつでも体も心もいいコンディションで撮影に望めるように、日常からの私生活をどう過ごすかが大切だと思います。

モデルの仕事は時間もバラバラで不規則な生活になりがち。
私は、食事に気をつけたり、適度な運動をするようにしています。

撮影の時の表情やポーズはフォトグラファーさんが指示をしてくれるのですか?

フォトグラファーさんが指示をしてくれる時もありますが、基本的にはモデルが積極的にポージングをとっていきます。
動きが決められている時もあるので、そういう時はその指示通りに動きます。

自由に動いていい時は、色々なポーズと表現をシチュエーションに合わせながらモデルが積極的に動いていきます。
トップモデルは引き出しが多く、たくさんの表情やポージングができます。そして、フォトグラファーさんや周りのスタッフさん達を引き込ませるような動きができるのです。

昔トップモデルと一緒にお仕事をした時、色々な表情やポーズが次々と出てきて、それのどれもが素敵で見とれてしまいました。フォトグラファーさんやスタッフさんが「可愛い。可愛い!」とずっと言っているほど、本当に素敵でしたよ。
こんな素敵なポージングができるモデルになりたいと思ったのを覚えています。

ポージングはどうやって練習すれば良いですか?

ポージングはどうやって練習すれば良いですか?

 
まずは、雑誌や洋服のカタログなどをたくさん見て、色々なポージングを真似してみてください。
始めは、顔の表情、手の動き、足の動きと、パーツごとに練習します。その後それらを組み合わせて動いていきます。
表現力をつける為に、どんなシチュエーションでどんな役の設定なのか頭でイメージしながらポーズをとるのも大切です。

例えば、可愛いスカートをはいているのに、大きく足を広げてクールにポージングをしたらあわないですよね。
洋服によってポーズが変わってきます。同じ洋服ではなく、色々な洋服を着て練習してくださいね。
レッスンを受ける事も早く上達する方法の一つです。

講師が細かく指導してくれますし、他のモデルの動きを見る事もできます。他の人の動きを見ると今まで自分でしなかったポーズ、思いつかなかったポーズを発見出来て、ポーズのバリエーション・引き出しが増えていくと思います。
そして、人前でポージングをするのは緊張しますが、本番で堂々とポージングをする練習にもなります。

実際、私のレッスンでは、細かくレクチャーをした後に、一人ずつポージングをしてもらっているのですが、最初は緊張してガチガチに動いていた子も、慣れてきたら自然にポーズをとれるようになっています。

私もモデルになって間もない頃、どう動いていいかわからずガチガチになってしまい、フォトグラファーさんからシャッターを押してもらえず、カメラの前で泣きそうになった事もありました。出来上がりを見てもどれもひどいポーズで・・・悔しくて家で泣いたことを覚えています。

たくさん練習することで、自信と慣れが緊張をほぐしてくれ、いいポージングにつなげてくれますよ。

例えば、可愛いポーズや格好良いポーズをしたい場合、どんなことに気をつけると良いですか?

女性の可愛いポーズを作るときのポイントは、まず足のポーズで膝と膝の間を狭くすること。膝を内側に曲げてみたり、クロスをしたり・・・膝がくっついていると絶対可愛い雰囲気になりますよ。逆に膝が開けばかっこいい雰囲気になります。

そしてやっぱり表情ですね!
可愛い笑顔を作ること。
あとはふっと力を抜いて柔らかい表情を作ったり、唇を少しすぼめたり、ウィンクをしても可愛い表情を作ることが出来ます。顔を横に傾けるのもオススメですよ。
可愛いお洋服を着てポージングをすると、不思議と可愛いポージングがしやすくなりますので、練習する時はお洋服からきめてみるのも良いですね。

かっこいいポージングは、可愛いポージングとは逆で、足を大きく開いたポーズや膝を大きく曲げるポーズを作るとかっこいい雰囲気になります。顎を少しあげたり、顎を少し引いて少し目力を入れるたりと、かっこいい表情も必要ですね。

怒ったように見えてしまうのはNGですので、クールでかっこいいイメージをしながらポージングしてみましょう。
男性のかっこいいポージングのポイントはきめすぎないことです。
ある程度ナチュラルな方が、自然でいい雰囲気が出ます。
男性は筋肉量が多い分、ガチガチになる人が多いです。まずは力を抜いてリラックスします。

そこからナチュラルに笑顔を作ったり、クールにしたければ目力を入れたりと表情を作ります。
ポージングもやり過ぎず、ポケットに手を入れる、腰にさりげなく手をあててみることからはじめてみましょう。
ただ、姿勢が悪いのはNGです。お腹と背中には力を入れて、姿勢が悪く見えないようにキープしましょう。

最後に、今後どんな活動をしていきたいですか?

色々な場面で活躍できるテクニックと表現を兼ね備えた「プロフェッショナルなモデル」を育てたいです。見ている人を魅了してしまうモデル‥‥美しいなとか、かっこいいなとか、魅入ってしまうようなポージングをするモデルを育成できるように、自分の講師としての技術もさらに磨いていきたいです。

他にも、一般の人にも簡単にできるポージングのアドバイスをする場を作っていきたいです。
ちょっとした技術で写真の写り方は大きく変わってきます。それはモデルだけではなく誰でも習得できることなので、レッスンを通じて写真を撮られるのが大好きな人を増やしていきたいです。

profile
芹沢 佳代

CMや雑誌、広告やショーなど多方面で活躍中の現役モデル。
モデル事務所・タレント事務所にて、モデルとしての経験を活かした実践的なポージング・ウォーキング指導も行っている。

的確なアドバイスと明るいキャラクターにファンも多い。