インタビュー モデル・ウォーキングスタイリスト AIさん

profile
AI

ハイブランドのショーなどで活躍する、キャリア20年以上の現役モデル。
モデルとして活躍するかたわら、講師として「現場で活かせるテクニック」をモデル事務所やスクールで指導中。
分かりやすい上に実力がつく指導で、新人モデルだけではなく、パリコレクションや東京コレクションなど主要ファッションショー出演モデルからのレッスンオファーも多い。

モデルとして、有名ハイブランドのショーをはじめ、数々のファッションショーに出演されているAIさん。
どうしてそんなに沢山のショーに呼ばれるのか、ショーモデルについて知りたい事とともにオーディションを勝ち抜く秘訣をうかがいました。

ショーモデルに向いている人はどんな人ですか?

ハイブランドなどのファッションショーに出演するモデルは、175cm以上のモデルが多いです。
フロアショーやブライダルのショーでは、170cm前後のモデルでも出演することが出来ます。
最近では、ガールズコレクションのようなイベントでのショーも多いので、165cm前後のモデルもショーに出演されていますね。

ショーモデルになる為には、ウォーキングが綺麗である事は必須だと思いますよ。
でも、綺麗に歩くという事は、簡単なようで難しいので練習が必要です。
あとは、ウォーキングしながら着用しているジャケットやコートなどを脱いだりするテクニックもあった方が、有利になると思いますよ。

では、ショーモデル以外のモデルはウォーキングの練習の必要はないですか?

いいえ。練習はしていた方がいいです。
例えば、コマーシャル系のモデルは第一に演技力を磨かなくてはいけませんが、動きの中での姿勢なども身につけていた方が、絶対的にキレイに見えます。
それに、スチールの撮影でも歩いている写真を求められるケースや、コマーシャルの撮影では動画になりますので、日頃からの自分の姿勢や歩き方のチェックをした方がいいと思います。
実際にコマーシャル系のモデルやタレントでも、志の高い方はウォーキングの練習をされていますよ。

ウォーキングはどうやって練習すれば良いですか?

今はWebなどでもショーを見られる機会が多いので、最初はマネでもいいかもしれませんが、基本的な事が1番大切だと思うので、変なクセのない綺麗な歩きや姿勢が出来るように、ウォーキングレッスンに通うなどして客観的な意見 チェックを受けると上達が早いと思いますよ。

AIさんは沢山のショーに出演されていますが、ずばりオーディションを勝ち抜くコツは?

基本はスタイルのわかりやすい服装で行くこと。
そして、必ずナチュラルメイクで。まだモデルを始めて間もない頃、お姉さんモデルに対抗しようと濃いメイクでオーディションに向かったのですが「そういうのはブックの中の作品で分かるからもっと素顔が分かりやすい方が良い」とクライアントさんに言われてしまったことがありました。
そのシーズンのテーマなども調べてから向かいますね。クライアントさんの求めるイメージを表現出来るモデルだけが勝ち残りますから。

あとは、オーディション会場までは楽な靴で良いとは思いますが、スタイルが良く見えるように、会場に入る前には必ずヒールの靴に履き替えること。
待っている間も見られていると意識しています。
印象の良いあいさつや振舞も必須です。

オーディションに関してではないですが、私が現場で気をつけていることについても ・・・

ショーの現場では、会場でショーの前後にお客様と鉢合わせしてしまう事があります。
お客様はおめかしして、きっと 特別な時間 を過ごしにいらっしゃっていると思います。
その時間を楽しんでいただけるよう、モデルとして、綺麗な衣装を身にまとってショーに出演していますが、衣装を脱いでも ショー以外でも「素敵だな」と思って頂かなければいけないと思います。TPOを考えて常にモデルらしくいること、が大切だと思っています。

ショーモデルが憧れる「海外デザイナーの来日ショー」にも出演されていますが、来日ショーって何ですか?

海外で活動できるモデルは、モデルの中でもほんの一握りだけ。
来日ショーでは、本国からデザイナーさんやスタッフの方が来日されて、海外のコレクションと同じようにショーをしますので、モデルにとっては凄いチャンスです。

デザイナー自身が実際にモデルを見て出演モデルを決めますので、とてもレベルの高い(世界基準の)オーディションとなります。来日ショーに出演出来るという事は、そのモデルのスキル クオリティが高い証明にもなりますね。

講師としてもご活躍中ですが、講師をされていて思うことは?

モデルにとって大切なことは、身体のバランスだと思います。ショー系モデル、コマーシャル系モデルと身長の差は多少ありますが、何よりもバランスですね。
そして、そのバランスの中でも大切なのは脚だと思います。

レッスンをしていて沢山のモデルさんに出会いますが、多いのがO脚です。
O脚=骨の問題だと半ば諦めている方も沢山いらっしゃいますが、ほとんどの方は立ち方ひとつでかなり改善されるんですよ。
レッスンに参加された方も「立ち方だけでこんなに変わるんだ」とよく驚いていらっしゃいます。

私が実践しているのは、脚の内側を重心にして立つ事。脚全体の内側を鍛えてあげるだけで、O脚は改善出来ます。
また、希望者には毎日ご自分で出来るO脚改善ストレッチ法もお伝えしていますが、早い方では1ヶ月で直る場合も。
O脚ではない方も、内側重心にして立つ事で、さらに美脚になっていきます。

同じく ウォーキングでのポーズも内側重心にすると、脚の流れをさらに綺麗に見せられるようになります。
普段の生活から意識 改善することによって、綺麗なバランスにより近づけると思います。

あとは脚が太いと気にしている方も多いのですが、脚を見せるようなファッションをして人に見られることでも本当に脚が綺麗になりますよ。
世の中の男性は女性の脚が大好きですから、もう沢山、見て貰えばいいと思います(笑)

そして、同性から見られて「羨ましいな」と思われるのが最終目標ですね!
私も少し太ったかな?と思ったらなるべく脚を出すようにしています。人に見られることによる引き締め効果はかなりありますから。
多くのモデルさんとレッスンでお会いし、教えるばかりではなく逆に刺激を沢山頂いていると感じています。

最後に、今後どんな活動をしていきたいですか?

モデルとしての経験を活かして(現役モデルが講師の場合、現場での今の状況が分かる事が最大の強み。モデルは、今の時代に求められている歩き方や雰囲気などが表現出来なければいけませんから。そして現役で活躍できますし、よくお仕事をしているモデルがオーディションではどういう風にしているかなども分かります。)質の高い 活躍できるモデルを育てる為のレッスンも続けていきたいです。

また、最近では、一般の方もレッスンを受けにいらっしゃいます。女性としての特権でのヒールを履いてお洒落をするならば、その流れでの歩き方も綺麗になってもらいたいなと思っています。
綺麗にメイクをして、お洒落して出かけるならば、綺麗に歩く事も当たり前!と思ってくださるように、発信出来たらいいですね。

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ハイブランドのショーなどで活躍する、キャリア20年以上の現役モデル。
モデルとして活躍するかたわら、講師として「現場で活かせるテクニック」をモデル事務所やスクールで指導中。
分かりやすい上に実力がつく指導で、新人モデルだけではなく、パリコレクションや東京コレクションなど主要ファッションショー出演モデルからのレッスンオファーも多い。